戸建ての売却方法は？流れや必要書類、起こりやすいトラブル回避法も解説

戸建ての売却は、人生の中でもそう何度も経験することのない大きな取引です。そのため、

「何から始めればいいのか分からない」

「トラブルなく進めるにはどうすればいいの？」

などと、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。実際、売却方法の選び方や流れ、必要書類、さらには思わぬトラブルまで、しっかりと知識を持っておくことが後悔のない売却への第一歩となります。

本記事では、戸建ての売却方法やそのメリット・デメリット、売却の流れ、必要書類、よくあるトラブルとその回避法について解説します。本記事を参考に、初めての戸建て売却でも安心して一歩を踏み出せるでしょう。

まずは戸建ての売却方法を知ろう！売却方法は2種類！

戸建てを売却するには、大きく分けて『仲介』と『買取』の2つの方法があります。どちらを選ぶかによって、売却のスピードや価格、手間のかかり方が大きく異なるため、それぞれの仕組みや特徴を正しく理解しておくことが大切です。

ここからは、戸建ての売却方法を種類別に紹介します。

• 仲介による売却
• 買取による売却

以下で詳しく解説します。

仲介による売却

仲介による売却とは、不動産会社に依頼し、市場で買主を探してもらう売却方法です。売主はまず不動産会社と媒介契約を結び、販売活動が始まります。広告の掲載や内覧の対応を通じて購入希望者を募り、条件が合えば売買契約を締結します。

仲介では、市場の需要に応じて価格を設定できるため、売却価格が相場に近くなる可能性があることが特徴です。一方で、買主が現れるまでに時間がかかることがあり、売却までの期間は不確定です。

また、売主自身が内覧や交渉などにある程度対応する必要があります。売却価格を重視する場合には、適した方法といえます。

買取による売却

買取とは、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。仲介のように市場に出して買主を探す必要がないため、手続きがスピーディーに進むことが特徴です。最短で数日から1週間程度で現金化できるケースもあります。売却後のトラブルを避けるために、契約の確実性が高く、内覧や購入希望者とのやりとりも不要です。

ただし、買取価格は仲介よりも低く設定される傾向があります。市場価格から2〜3割程度下がることもあるため、早さを優先するか、価格を重視するかを検討する必要があります。物件の状態や築年数によっては、買取が難しい場合もあります。

仲介と買取それぞれのメリット・デメリット

『仲介』と『買取』にはそれぞれに特徴があり、どちらが最適かは売主の状況や希望条件によって異なります。ここでは、それぞれのメリットとデメリットを客観的に確認し、自分に合った選択肢を見つける参考にしてください。

• 仲介のメリット・デメリット
• 買取のメリット・デメリット

以下で詳しく解説します。

仲介のメリット・デメリット

メリット	デメリット
・市場価格で売れる可能性がある ・複数の購入希望者から選べる ・売却活動の自由度が高い	・売却完了までに時間がかかる ・内覧対応や価格交渉の手間がある ・売却できる保証がない

仲介とは、不動産会社が間に入り、買主を探して売買契約を成立させる方法です。最大のメリットは、市場価格での売却が期待できる点です。需要の高いエリアや状態の良い物件であれば、高値で売却できる可能性があります。

また、複数の購入希望者から選べるため、条件の良い取引を目指せます。一方で、買主が見つかるまでに時間がかかったり、内覧対応や価格交渉といった対応が必要になることがデメリットです。さらに、買主が現れなければ売却自体が成立しないというリスクも考慮が必要です。

買取のメリット・デメリット

メリット	デメリット
・売却が短期間で完了する ・内覧対応が不要 ・契約不成立のリスクがない	・市場価格よりも安くなる傾向がある ・買取対象とならない物件もある ・選べる業者が限られることがある

買取は、不動産会社が物件を直接買い取る方法です。この方法の最大の魅力は、売却までのスピードです。買主探しが不要なため、早ければ数日から1週間程度で売却が完了します。内覧対応も基本的に不要で、手間をかけたくない方に適しています。

また、契約不成立の心配がない点も安心です。ただし、買取価格は市場相場より2〜3割ほど低くなるのが一般的です。加えて、すべての物件が買取対象になるとは限らず、築年数や立地によっては断られる場合もあります。信頼できる業者の選定が重要です。

戸建て売却方法の基本的な流れ！6STEP

戸建ての売却を成功させるには、全体の流れを正しく理解しておくことが重要です。順を追って進めることで、手続きに抜け漏れがなくなり、スムーズな売却につながります。

ここでは、物件の査定から最終的な引き渡しまでの流れを6つのステップに分けて、丁寧に解説します。

• STEP1：物件の査定を依頼する
• STEP2：売却方法を選び媒介契約を結ぶ
• STEP3：販売活動を開始する
• STEP4：購入希望者と交渉・契約をする
• STEP5：引き渡しに向けた準備をする
• STEP6：物件の引き渡し・残金決済

それでは、それぞれのステップについて詳しく見ていきましょう。

STEP1：物件の査定を依頼する

売却の第一歩は、所有している戸建ての価値を知ることです。不動産会社に査定を依頼することで、物件の立地、築年数、間取り、周辺環境などの要素をもとに市場価格が算出されます。

査定には『簡易査定』と『訪問査定』の2種類があり、前者はオンラインなどで手軽に実施でき、後者は実際に現地を確認してより正確な金額を提示されます。複数の不動産会社に依頼することで価格の妥当性を比較検討しやすくなるでしょう。正確な査定額を把握することが、その後の販売戦略や売却価格の決定に大きく影響します。

STEP2：売却方法を選び媒介契約を結ぶ

査定結果をもとに、売却方法を『仲介』または『買取』から選択します。仲介を選ぶ場合は、不動産会社との間で媒介契約を結びます。媒介契約には『専属専任媒介』『専任媒介』『一般媒介』の3種類があり、それぞれ売却活動の自由度や報告義務に違いがあります。

契約内容には、売却価格、手数料、契約期間などの条件が明記されるため、慎重に内容を確認することが大切です。この契約を結ぶことで、不動産会社が正式に販売活動を開始できるようになります。信頼できる会社との契約が、成功への大きな一歩です。

STEP3：販売活動を開始する

媒介契約を結んだ後、不動産会社による販売活動が始まります。主にインターネットへの物件掲載、チラシの配布、店舗掲示などを通じて買主を募ります。物件の魅力を正確に伝えるため、写真撮影やキャッチコピー作成なども行われ、集客力に影響を与えます。

STEP4：購入希望者と交渉・契約をする

購入希望者が現れたら、価格や引き渡し時期などの条件を調整する交渉を行います。交渉がまとまったら、買主と売主の間で『不動産売買契約』を締結します。契約書には、売買代金、手付金、引き渡し日、瑕疵担保責任などが明記されます。

重要事項説明もこの時点で実施され、売主は契約内容を十分に理解したうえで署名・押印することが大切です。ここでの確認不足は後のトラブルに直結するため、慎重に手続きを進める必要があります。契約完了をもって、正式に売買が成立です。

STEP5：引き渡しに向けた準備をする

契約締結後は、物件の引き渡しに向けた準備を行います。具体的には、住宅ローンが残っている場合の抵当権抹消手続き、公共料金の精算、引っ越しの手配、室内清掃などが含まれます。

また、登記情報や必要書類の確認も重要な作業です。これらの準備が整っていないと、引き渡し当日にトラブルが発生するおそれがあるため、スケジュール管理をしっかりとしておくことが大切です。買主側の準備状況も確認しながら、双方のスムーズな引き渡しに向けて調整を進めていきます。

STEP6：物件の引き渡し・残金決済

最終ステップでは、売主が買主に物件を引き渡し、残金の決済を受け取ります。通常、司法書士が立ち会い、所有権移転登記や住宅ローンの返済確認、鍵の引き渡しなどが一括で行われます。残金は金融機関を通じて一括で支払われるのが一般的で、売主はその受け取りと同時に物件を正式に手放すことになります。

引き渡し後のトラブルを防ぐためにも、設備の不具合や書類の不備がないか、事前にしっかりと確認しておくことが重要です。この工程を終えて、売却は完了となります。

戸建てを売却する際に必要な書類一覧

戸建てを売却する際には、複数の書類が必要となります。これらは売買契約の締結、登記手続き、引き渡しなど、各ステップで用いられるため、事前に正確に準備しておくことがスムーズな取引につながります。不備があると手続きが遅れるだけでなく、買主とのトラブルに発展する恐れもあるため注意が必要です。

以下に、主な書類を一覧表で整理しました。

書類名	説明
登記簿謄本（全部事項証明書）	法務局で取得。所有者や土地・建物の情報が記載されており、売却に必須です。
身分証明書	運転免許証やパスポートなど。売主本人確認のために必要です。
印鑑証明書	売買契約や登記手続きに必要。3ヶ月以内に発行されたものが一般的です。
実印	売買契約書や登記関連書類に使用。認印では不可。
固定資産税納税通知書	土地・建物の固定資産税額を確認するために使用されます。
建築確認済証・検査済証	建築基準法に基づいた建物であることを証明するため。
図面（間取り図・配置図など）	買主が物件の状態を確認するために必要です。
設備表・物件状況報告書	設備の有無や不具合、建物の状態などを詳細に記載する書類。
売買契約書（売却時）	買主と契約を結ぶ際に作成。契約内容が記載される重要書類。

これらの書類は、物件の状態や所在地、売却条件によって多少異なる場合があります。中でも、印鑑証明書や登記簿謄本、物件状況報告書などは司法書士や不動産会社と連携して準備する必要があるため、早めの確認と収集が重要です。特に築年数が古い物件では、図面や検査済証が見当たらないケースもあるため、その場合は専門家に相談しましょう。書類の準備を万全にしておくことで、安心して売却に臨めます。

戸建てを高く売却するコツ3選

戸建てをできるだけ高く売却したいと考える方は多いでしょう。しかし、ただ待っているだけでは高値での売却は期待できません。

売却前の準備や販売戦略をしっかり立てることで、物件の価値を最大限に引き出すことが可能です。ここでは、具体的に効果が高いとされる売却のコツを3つ紹介します。

• 適正な査定価格を把握し、戦略的に売り出す
• 第一印象を良くするために室内外を整える
• 売り出しのタイミングを見極める

それでは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきましょう。

適正な査定価格を把握し、戦略的に売り出す

売却の成功には、適正な価格設定が欠かせません。まず複数の不動産会社に査定を依頼し、価格の根拠や評価ポイントを確認します。査定価格は、周辺の取引事例や物件の状態、立地条件などから算出されますが、不動産会社ごとに金額が異なることもあります。そのため、相場を把握しつつも、売却のスケジュールや希望額に応じた価格戦略を立てることが大切です。

例えば、急がない場合はやや高めに設定し、反響を見ながら調整する方法もあります。根拠に基づいた価格設定が、信頼感と売却成功につながるでしょう。

第一印象を良くするために室内外を整える

買主が物件に興味を持つかどうかは、第一印象に大きく左右されます。内覧時に良い印象を与えるためには、清掃や整理整頓を徹底し、生活感をなるべく排除することが効果的です。

また、玄関や庭先といった外観部分も重視されるため、雑草の除去や植栽の手入れなど、見た目の整備を忘れずに行いましょう。内装においては、照明を明るくしたり、カーテンや小物を整えたりするだけでも印象が変わります。

実際、購入の判断を大きく左右するのは内覧時の雰囲気であることが多く、簡単な工夫が価格にも影響を与えることがあります。

売り出しのタイミングを見極める

物件の売却において、時期選びは非常に重要な要素です。一般的に、春（3〜4月）や秋（9〜10月）は引っ越し需要が高まるため、買主が増える傾向があります。こうしたタイミングで売り出すことで、より多くの内覧希望者を集めやすくなり、結果として売却価格も高くなる可能性があります。

また、金利動向や不動産市況の影響も受けるため、市場の動きを事前に把握しておくことも重要です。売却に急いでいない場合は、こうした需要期を狙って計画的に売却活動を始めることで、より有利な条件での売却が期待できます。

戸建てを売却する際に起こりやすいトラブルと回避法

戸建ての売却は高額な取引であるため、スムーズに進めるためには想定されるトラブルを事前に把握し、適切に備えることが欠かせません。売却後のトラブルは、買主との信頼関係に影響するだけでなく、法的な問題に発展するケースもあるため、慎重な対応が求められます。

• 売却後の瑕疵（かし）によるトラブル
• 契約条件の食い違いによるトラブル
• 売却価格への不満・価格交渉の混乱

それでは、それぞれのトラブルについて具体的に解説していきます。

売却後の瑕疵（かし）によるトラブル

戸建ての売却後に、建物や設備に不具合が見つかった場合、『瑕疵担保責任』が問われることがあります。特に、雨漏りやシロアリ被害、配管の故障など、表面上は分からない欠陥が問題となるケースが多く見られます。

また、売却後でも、契約時にその事実を知らせていなかった場合、修繕費や損害賠償を求められる可能性があるので注意が必要です。瑕疵の有無は目視では判断しにくいため、売却前に専門業者による建物診断を受けることが推奨されます。また、不具合があった場合には、事前に買主に説明し、書面で共有することが重要です。

回避法
事前にホームインスペクション（住宅診断）を実施し、気づいていない不具合を把握しましょう。問題があった場合は、修繕するか、売買契約書にその内容を明記して買主に説明することで、トラブルを未然に防げます。

契約条件の食い違いによるトラブル

売買契約書に記載された内容と、売主・買主の認識が異なることによって、契約条件に関するトラブルが発生することがあります。たとえば、引き渡し日や残置物の取り扱い、支払方法などが不明確だと、後から「聞いていなかった」といった問題が起こる原因になります。

特に、口頭だけで確認した条件は証明が困難なため、文書化されていない情報が争点となるケースが少なくありません。こうした食い違いは、円滑な取引に支障をきたすだけでなく、関係性の悪化を招く恐れがあります。

回避法
契約書には細部に至るまで具体的な内容を記載し、曖昧な表現を避けるようにしましょう。また、重要な確認事項はすべて文書で残し、不動産会社や司法書士と相談しながら慎重に進めることが重要です。

売却価格への不満・価格交渉の混乱

売却価格に関するトラブルは、売主・買主の双方にとってストレスとなりやすい問題です。査定時と売却時で価格が異なることや、価格交渉がスムーズに進まないことで、不満が生じやすくなります。

特に、購入希望者が値引きを強く要求した場合に、売主が想定よりも安い価格での売却を迫られるケースもあるので注意が必要です。また、交渉内容が曖昧なまま進行すると、後から「そんな話はしていない」といったトラブルに発展することもあります。

回避法
査定時に複数社から相場を把握し、最低売却価格を明確に決めておくことが大切です。価格交渉が入った場合も、感情的にならず冷静に対応し、不動産会社の仲介担当者と連携しながら条件を整理しましょう。

戸建ての売却は信頼できる不動産会社選びが重要！

戸建ての売却を成功させるには、信頼できる不動産会社の選定が欠かせません。不動産会社の対応力や知識、地域の市場動向への理解度は、売却価格やスピードに直結します。的確な査定、的を射た販売戦略、丁寧な買主対応など、売却全体の質を左右する存在といえるでしょう。安易に選ばず、複数社を比較しながら信頼性や実績を慎重に見極めることが大切です。

山陰エリア(松江市・出雲市・米子市)で不動産売却する際のおすすめの会社

不動産売却は、信頼できるパートナー選びが成功のカギとなります。山陰エリアにおいても、地域に根差し、高い実績を持つ企業が存在しています。以下では、その中から特に注目すべき企業をご紹介します。

• ハウスドゥ松江・出雲・米子（西日本ホーム株式会社）
• カチタス出雲店・米子店

山陰での不動産売却を検討している方にとって、信頼と実績を備えた企業を知ることは大きな助けになります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

ハウスドゥ松江・出雲・米子（西日本ホーム株式会社）

西日本ホーム株式会社は、島根県と鳥取県において『ハウスドゥ』ブランドの店舗を展開しており、松江・出雲・米子の各市にて地域密着型のサービスを提供しています。

新築住宅の提供だけでなく、中古住宅のリフォームや不動産の売却・買取にも幅広く対応しているのが大きな特徴です。特に『安心・感動の住まいの提供』という企業理念のもと、顧客一人ひとりに寄り添った丁寧な対応を重視しています。

不動産売却に関しては、地域の市場動向を熟知したスタッフによる適正な価格査定が受けられる点が強みです。不動産をスムーズに、納得のいく形で手放したいと考える方にとって、信頼できるパートナーとなるでしょう。

カチタス出雲店・米子店

カチタスは、全国130店舗以上を展開する中古住宅専門の企業で、山陰地域には出雲店・米子店を構えています。年間5,000戸以上の販売実績を誇り、中古住宅の買取再販業界で全国No.1の実績を持つ企業です。

不動産売却を希望する方にとって魅力的なのは、査定から現金化までのスピードです。最短3日で査定価格が提示され、現金決済も最短3週間で完了する仕組みは、急ぎで売却したい方にとって大きなメリットとなります。

また、仲介ではなく直接買取方式を採用しているため、売却後のトラブルリスクを抑えることができます。築年数が古い物件も積極的に検討してくれるため、他社で断られたケースでも、一度相談してみるのもポイントです。

まとめ

本記事では、戸建て売却に関する基本的な知識から実践的な手順、注意点やトラブルの回避法までを解説しました。売却方法には『仲介』と『買取』の2種類があり、それぞれに異なる特徴があります。

また、売却をスムーズに進めるには、必要書類の準備や売却時期の見極め、信頼できる不動産会社の選定が重要です。トラブルを避け、納得のいく売却を実現するために、正確な知識と計画的な行動が求められます。安心して進めるための第一歩に、本記事をぜひご活用ください。