中古物件を購入・売却する際に欠かせないのが不動産会社への仲介手数料です。初めて不動産取引をする方にとって、仲介手数料は意外と大きな出費になりますが、その仕組みや計算方法を理解していないことも多いでしょう。
実は仲介手数料は法律によって上限額が定められており、適切な知識があれば交渉も可能です。本記事では、中古物件における仲介手数料の基本的な仕組みから計算方法、さらには節約術まで詳しく解説します。これから中古物件の購入や売却を検討している方は、ぜひ参考にして賢く不動産取引を進めてください。
また、以下の記事では山陰エリア(松江市・出雲市・米子市)の不動産売却をする際のおすすめの会社を紹介しているので参考にしてください。
中古物件の仲介手数料の計算方法と相場
中古物件の仲介手数料は宅地建物取引業法によって上限額が定められています。ここでは価格帯別の具体的な計算例や、購入時と売却時の違い、媒介契約の種類による影響について解説します。
法律で定められた仲介手数料の上限額
中古物件の取引における仲介手数料は、宅地建物取引業法第46条および同法施行規則第15条の5により上限額が定められています。具体的には以下のような計算式となります。
- 売買価格200万円以下の部分:5%まで
- 売買価格200万円超400万円以下の部分:4%まで
- 売買価格400万円超の部分:3%まで
この金額はあくまで上限であり、不動産会社によっては割引サービスを提供していることもあります。また、上記は「片手仲介」(買主または売主のどちらか一方からのみ手数料を受け取る場合)の計算方法です。「両手仲介」(買主と売主の両方から手数料を受け取る場合)では、各々に対して上限額までの手数料を請求できます。
購入時と売却時の仲介手数料の違い
中古物件の取引では、購入時と売却時の両方で仲介手数料が発生しますが、いくつかの違いがあります。
購入時の仲介手数料は、物件価格に対して先述の計算式で算出されます。購入者は通常、契約時に手付金と共に仲介手数料の一部(半額程度)を支払い、残りは決済・引き渡し時に支払うことが一般的です。
購入時には、物件の紹介や内覧のアレンジ、価格交渉の代行、契約書の作成、重要事項の説明などのサービスを受けることができます。また、住宅ローンの相談や各種手続きのサポートも受けられることが多いです。
売却時も基本的な計算方法は同じですが、媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)によって提供されるサービス内容に違いがあります。売却時の仲介手数料は通常、物件が売れて決済が完了した時点で支払います。
購入と売却で大きく異なる点として、売却時には成約しなければ手数料は発生しないという点が挙げられます。一方、購入時は契約を結んだ時点で手数料の支払い義務が生じます。
仲介手数料に含まれるサービス内容と適正価格
仲介手数料は単なる紹介料ではなく、物件の調査や契約書の作成、重要事項の説明など様々なサービスの対価です。不動産会社によってサービス内容や質に差があるため、何が含まれていて何が別料金なのかを理解することが重要です。ここでは仲介手数料で受けられるサービス内容と、適正と考えられる価格バランスについて解説します。
不動産会社が提供する基本的なサービス
中古物件の取引において、仲介手数料の対価として不動産会社が提供する基本的なサービスは以下の通りです。
【購入時のサービス】
- 物件情報の提供と紹介
- 物件の内覧アレンジと同行
- 物件の詳細情報の調査(権利関係、法的制限、周辺環境など)
- 価格交渉の代行
- 重要事項説明(宅建業法で義務付けられている)
- 売買契約書の作成と契約手続きのサポート
- 住宅ローンの相談や金融機関への書類提出サポート
- 決済・引き渡し手続きの立会いと調整
【売却時のサービス】
- 物件査定と適正価格の提案
- 販売戦略の立案
- 販売図面やチラシの作成
- 不動産ポータルサイトへの掲載
- 購入希望者の案内と内覧対応
- 購入希望者との交渉
- 重要事項説明書や契約書の作成
- 決済・引き渡し手続きの調整
これらのサービスは仲介手数料に含まれる基本的なものですが、不動産会社によってサービスの質や範囲には差があります。例えば、物件紹介の数や内覧の柔軟性、交渉力、アフターフォローの充実度などは会社によって異なります。
仲介手数料の上限額は法律で定められていても、受けられるサービスの質には大きな差があるため、単に手数料の安さだけでなく、サービス内容も重視して選ぶことが重要です。
仲介手数料の対価として受けられるサポート内容
基本的なサービスに加えて、仲介手数料の対価として受けられる詳細なサポート内容を見ていきましょう。これらのサービスの質や充実度が、不動産会社選びの重要な判断材料となります。
【物件調査に関するサポート】
- 土地の境界確認や測量図の確認
- 建物の構造や設備の状態確認
- 過去の修繕履歴や管理状況の調査(マンションの場合)
- 周辺環境や将来的な開発計画の調査
- 法的制限(建築制限、都市計画など)の調査
【契約関連のサポート】
- 契約条件の調整と交渉
- 各種特約事項の提案と作成
- 契約に必要な書類の準備と説明
- 手付金の授受や保全に関する手続き
- 契約後のトラブル対応
【資金計画に関するサポート】
- 購入諸費用の詳細な見積もり
- 住宅ローン控除などの税制優遇措置の案内
- 住宅ローンの事前審査サポート
- 資金計画のアドバイス
- 決済時の資金移動のサポート
【引き渡し後のサポート】
- 住所変更などの各種手続きの案内
- 不具合発生時の対応や調整
- リフォーム業者の紹介
- 地域情報の提供
- 税金関連(固定資産税など)のアドバイス
これらのサポートがどの程度丁寧に行われるかは不動産会社によって大きく異なります。特に中古物件の場合は、物件の状態や権利関係が複雑なケースもあるため、詳細な調査と適切な説明を行ってくれる会社を選ぶことが重要です。
仲介手数料は決して安い金額ではありませんが、適切なサポートを受けることで、将来的なトラブルや余計な出費を防ぐことができます。その意味では、質の高いサービスを提供する会社の仲介手数料は、適正な投資と考えることもできるでしょう。
仲介手数料を節約するための方法と交渉術
仲介手数料は法律で上限額が定められていますが、不動産会社によっては割引サービスを提供していることもあります。効果的な交渉術や両手仲介・片手仲介の違いを理解することで、適正な金額で質の高いサービスを受けることが可能です。ここでは具体的な節約方法と賢い交渉のポイントを紹介します。
仲介手数料の値引き交渉のポイントとタイミング
中古物件の取引における仲介手数料は、法律で定められた上限額以内であれば交渉の余地があります。効果的な交渉をするためのポイントとタイミングを解説します。
【交渉のポイント】
- 準備と情報収集 交渉の前に、地域の相場や他社の料金体系について情報収集しておきましょう。複数の不動産会社に相談し、それぞれの仲介手数料の設定を比較することが重要です。
- 具体的な交渉材料を用意する 「他社ではこのような割引がありました」など、具体的な情報を持って交渉すると効果的です。ただし、嘘の情報で交渉するのは信頼関係を損なうためやめましょう。
- サービス内容との兼ね合いを考慮する 単に値引きを求めるだけでなく、「このサービスは不要なので、その分の値引きをお願いできますか」というアプローチも効果的です。
- 複数物件の取引をアピールする 購入と売却を同時に行う場合や、将来的に別の物件の取引も検討していることをアピールすると、割引の可能性が高まります。
- 誠実かつ率直に交渉する 高圧的な態度ではなく、誠実に交渉することが大切です。「予算の都合で手数料を抑えたいのですが、ご検討いただけますか」など、率直に伝えましょう。
【交渉の適切なタイミング】
- 初回相談時 最初の相談時に料金体系について質問し、交渉の余地があるか探ることができます。
- 物件を絞り込んだ段階 具体的に購入を検討している物件が決まった段階や、売却を依頼する際に交渉するのが効果的です。この段階では、契約に近づいているため交渉力が増します。
- 媒介契約を結ぶ前 売却時の媒介契約を結ぶ直前は、最も交渉力のあるタイミングです。契約内容の一部として仲介手数料についても交渉できます。
- 複数社で競合している場合 複数の不動産会社が同じ物件を扱っている場合や、売却時に複数社に査定を依頼している場合は、競合他社との差別化ポイントとして手数料の交渉がしやすくなります。
【交渉の注意点】 仲介手数料の交渉は可能ですが、過度な値引き要求はサービスの質の低下を招く可能性があります。また、一部の優良な不動産会社では、明確な料金体系を設定しており、交渉の余地がない場合もあります。サービスの質と手数料のバランスを考慮した上で、無理のない交渉を心がけましょう。
両手仲介と片手仲介の違いと選び方
中古物件の取引における「両手仲介」と「片手仲介」の違いを理解することで、仲介手数料に関する判断がしやすくなります。それぞれの特徴と選び方を解説します。
【両手仲介と片手仲介の定義】
- 片手仲介:一つの不動産会社が売主または買主のどちらか一方のみを代理して、もう一方は別の不動産会社が代理する形態。手数料は代理する側からのみ受け取ります。
- 両手仲介:一つの不動産会社が売主と買主の両方を仲介する形態。売主と買主の両方から手数料を受け取ることができます。
【両手仲介のメリットとデメリット】
メリット:
- 取引がスムーズに進みやすい(情報共有や調整が一社内で完結)
- 場合によっては仲介手数料の割引が受けられる可能性がある
- 書類の準備や手続きが効率的に進む
デメリット:
- 利益相反の可能性がある(売主は高く売りたい、買主は安く買いたいという相反する利益)
- 物件情報が限定される可能性がある
- 買主側から見ると、売主寄りの対応になる懸念がある
【片手仲介のメリットとデメリット】
メリット:
- 買主側から見ると、自分の利益を最優先に交渉してくれる
- より多くの物件情報にアクセスできる可能性がある
- 利益相反のリスクが少ない
デメリット:
- 取引の調整に時間がかかる場合がある
- 情報伝達に齟齬が生じるリスクがある
- 手数料の割引を受けにくい場合がある
【選び方のポイント】
購入側の場合:
- 特定の不動産会社が持つ物件(自社物件)に興味がある場合は、両手仲介になる可能性が高い
- より多くの物件を見たい場合や、強力な価格交渉を希望する場合は、片手仲介が有利
- 両手仲介の場合は、手数料割引について交渉する余地があることを覚えておく
売却側の場合:
- 早期売却を優先するなら、両手仲介の可能性も含めて検討
- 最高価格での売却を優先するなら、片手仲介での幅広い販売活動に期待
- 媒介契約の種類(一般・専任・専属専任)と合わせて検討することが重要
両手仲介と片手仲介のどちらが良いかは、状況や優先事項によって異なります。重要なのは、それぞれの仕組みを理解した上で、自分のニーズに合った選択をすることです。また、両手仲介の場合、手数料の割引交渉をする良い機会であることを覚えておきましょう。
複数の不動産会社に相談しよう
複数の不動産会社に相談することで、選択肢が広がり、より自分に合ったサービスと手数料のバランスを見つけることができます。中古物件取引は高額な買い物ですので、時間をかけて比較検討することをおすすめします。一社だけで決めず、少なくとも3社程度には相談することで、より良い取引につながるでしょう。
山陰エリア(松江市・出雲市・米子市)で不動産売却する際のおすすめの会社
山陰エリアには多くの不動産会社がありますが、ここでは特に評判の良い会社を紹介します。それぞれの特徴を理解し、ご自身のニーズに合った会社を選びましょう。
ハウスドゥ松江・出雲・米子(西日本ホーム株式会社)

松江市、出雲市、米子市の3都市に営業拠点を持つハウスドゥ松江・出雲・米子は、山陰エリア全体をカバーする広範なネットワークが特徴です。物件情報の共有システムにより、広いエリアからの購入希望者に物件をアピールできる点が強みとなっています。
項目 | 詳細 |
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屋号 | ハウスドゥ 松江・出雲・米子 |
会社名 | 西日本ホーム株式会社 |
本社 | 〒690-0049 島根県松江市袖師町2-32 TEL:0852-24-7703 URL:https://www.nn-h.com/ |
ハウスドゥ 松江 | 〒690-0017 島根県松江市西津田5-1-1 TEL:0852-33-7778 URL:https://www.housedo-matsue.jp/sell |
ハウスドゥ 出雲 | 〒693-0004 島根県出雲市渡橋町3-2 TEL:0853-31-4010 URL:https://www.housedo-izumo.jp/sell |
ハウスドゥ 米子 | 〒683-0804 鳥取県米子市米原7-15-27 TEL:0859-30-3100 URL:https://www.housedo-yonago.jp/sell |
独自の査定メソッドにより、物件ごとの特性や立地条件を詳細に分析し、市場価値を適切に評価します。また、物件調査の段階から売却完了まで一貫した担当者が対応するため、細やかなフォローが期待できます。特に複数エリアでの住み替えを検討されている方には、広域連携によるワンストップサービスが好評です。
また、以下の記事ではハウスドゥ 松江・出雲・米子について口コミや特徴について書いているので参考にしてみてください。
カチタス出雲店・米子店

戸建住宅の買取に特化したカチタスは、出雲店と米子店を拠点に山陰エリアで活動しています。中古住宅の再生・流通に力を入れており、従来の不動産仲介とは異なるアプローチで住宅の売却をサポートします。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社カチタス |
出雲店 | 〒693-0012 島根県出雲市大津新崎町1-24-1 有藤テナント1FA TEL:0120-945-772 URL:https://home.katitas.jp/shop_info/82 |
米子店 | 〒683-0845 鳥取県米子市旗ヶ崎7-14-12 1F1号室 TEL:0120-870-521 URL:https://home.katitas.jp/shop_info/78 |
買取専門会社ならではの特徴として、買い手を探す必要がなく、内覧対応や価格交渉などの煩わしさから解放されるメリットがあります。特に築年数が経過した住宅や、相続物件、リフォームが必要な物件など、通常の販売ルートでは難しいケースでも対応可能です。状況に応じて複数の選択肢から最適な売却方法を提案する柔軟性も評価されています。
また、以下の記事では株式会社カチタス 出雲店・米子店について口コミや特徴について書いているので参考にしてみてください。
まとめ
中古物件の取引における仲介手数料について、計算方法や節約術、サービス内容との関係について解説してきました。ここまでの内容をまとめ、適正な仲介手数料で満足のいく取引を実現するためのポイントを整理します。
【仲介手数料に関する重要ポイント】
- 法的な上限額を理解する
- サービス内容と手数料のバランスを重視する
- 複数の不動産会社に相談する
- 交渉の可能性を理解する
- 総合的なコストを考慮する
中古物件の取引は、多くの方にとって人生における大きな買い物の一つです。仲介手数料も決して小さな金額ではありませんが、適切なサービスを受けることで、将来的なトラブルや損失を避けることができます。
情報収集と比較検討を十分に行い、自分のニーズに合った不動産会社と手数料のバランスを見つけることが、満足のいく取引につながります。この記事が、皆さんの中古物件取引における仲介手数料の理解と適切な判断の一助となれば幸いです。