相続した家を売却することは、様々な手続きや税金の知識が必要となる複雑なプロセスです。特に初めて不動産の相続を経験する方にとっては、何から始めればよいのか戸惑うことも多いでしょう。
本記事では、相続した家の売却手続きの流れや税金対策、地域に根差した信頼できる不動産会社の情報まで、幅広く解説します。相続した家を適切に処分して、相続財産を有効活用するための知識を身につけましょう。
また、以下の記事では山陰エリア(松江市・出雲市・米子市)の不動産売却をする際のおすすめの会社を紹介しているので参考にしてください。
相続した家を売却するまでの5つの手順
- 相続登記と名義変更の必要書類と手続き
- 相続人全員の同意を得るための協議書の作成方法
- 相続した家の適正価格を知るための査定依頼
- 不動産会社との媒介契約から販売活動までの流れ
- 売買契約の締結と確定申告の注意点
相続した家を売却するには、まず相続登記を行い、相続人全員の同意を得る必要があります。その後、不動産会社に査定を依頼し、媒介契約を結んで販売活動を開始します。
ここでは相続不動産の売却に特有の手続きの流れと、各ステップで必要となる書類や注意点を解説します。
相続登記と名義変更の必要書類と手続き
相続した家を売却するためには、まず相続登記を行い、名義変更する必要があります。相続登記とは、亡くなった方(被相続人)名義の不動産を相続人の名義に変更する手続きです。
相続登記に必要な主な書類は以下の通りです。
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本一式
- 相続人全員の戸籍謄本(または抄本)
- 被相続人の住民票除票または戸籍の附票
- 相続人の住民票
- 固定資産評価証明書
- 遺産分割協議書(相続人が複数の場合)
- 印鑑証明書(相続人全員分)
相続登記は自分で行うこともできますが、必要書類の収集や申請書の作成など専門的な知識が必要なため、多くの場合は司法書士に依頼します。相続登記の費用は、登録免許税(不動産の評価額×0.4%)と司法書士報酬(5万円~10万円程度)が主な費用となります。
相続人全員の同意を得るための協議書の作成方法
相続人が複数いる場合、相続した家を売却するためには、全員の同意が必要です。この同意を書面にしたものが「遺産分割協議書」です。遺産分割協議書には以下の内容を記載します。
- 協議書の作成日
- 被相続人(亡くなった方)の氏名、死亡年月日
- 相続人全員の氏名、住所、続柄
- 相続財産の内容(不動産の所在地、面積など)
- 各相続人の取得財産内容(誰が何を相続するか)
- 相続人全員の署名と実印の押印
相続人の中に売却に反対する人がいる場合は、事前にしっかりと話し合いを行うことが重要です。売却理由や売却後の資金分配方法などを明確にすることで、合意に至るケースも多いです。
相続した家の適正価格を知るための査定依頼
相続した家の売却価格を決めるためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定は、インターネット上で簡易的に行われる査定で、物件の住所や面積などの基本情報を入力するだけで、おおよその価格を知ることができます。一方、訪問査定は不動産会社の担当者が実際に物件を訪れて行う詳細な査定です。
特に相続した家の場合、長期間空き家になっていたり、建物の状態が良くなかったりするケースも多いため、訪問査定が推奨されます。
不動産会社との媒介契約から販売活動までの流れ
査定結果をもとに売却を依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。媒介契約には以下の3種類があります。
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
- 一般媒介契約
相続した家の場合、特に空き家になっている物件は早期売却が望ましいケースが多いため、積極的な販売活動が期待できる専任媒介契約や専属専任媒介契約が選ばれることが多いです。
媒介契約締結後は、以下のような販売活動が行われます。
- 物件情報の整理と販売図面の作成
- 写真撮影やVR内覧の準備
- 不動産ポータルサイトや自社サイトへの掲載
- チラシやDM等の販促活動
- 内覧対応
相続した家の場合、特に空き家の状態が長く続いていると、埃やカビ、害虫の発生などが問題になることがあります。内覧前には十分な清掃を行い、必要に応じて不用品の処分やハウスクリーニングを検討するとよいでしょう。
売買契約の締結と確定申告の注意点
購入希望者が現れ、条件交渉がまとまったら売買契約を締結します。売買契約時には以下の書類が必要です。
- 印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)
- 実印
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 登記事項証明書(契約前に再度取得することが望ましい)
- 固定資産税納税通知書(精算のため)
相続した家を売却した場合、譲渡所得が発生すれば確定申告が必要です。相続不動産の売却における取得費(購入価格)は、被相続人が購入した金額ではなく、相続時の評価額が基準となります。
相続した家を売却する際の税金と特例制度
相続した家を売却する際には、様々な税金が関係してきますが、条件によっては特例制度を活用できる可能性があります。特に「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3,000万円特別控除」は大きな節税効果があります。ここでは相続不動産売却に関わる税金と特例制度について詳しく解説します。
譲渡所得税の計算方法と取得費の考え方
相続した家を売却した場合、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が譲渡所得となり、これに対して譲渡所得税が課税されます。計算式は以下の通りです。
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)
相続不動産の場合、取得費は「被相続人が購入した時の金額」ではなく、「相続時の評価額」となります。しかし、古い家屋の場合、被相続人が購入した時の金額が不明なケースも多いです。
相続した空き家の3,000万円特別控除の適用条件
「被相続人の居住用財産(空き家)を売却した場合の3,000万円特別控除」は、相続した家を売却する際に非常に有利な特例です。この特例を適用すると、売却による譲渡所得から最大3,000万円まで控除することができます。
適用条件は以下の通りです。
- 被相続人が亡くなる直前まで一人で住んでいた家であること
- 相続開始直前において被相続人以外に居住していた人がいないこと
- 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却すること
- 売却価格が1億円以下であること
- 売却前に事業や貸付、居住の用に供されていないこと
- 一定の耐震基準を満たすか、取壊して土地を売却すること
特に注意が必要なのは、耐震基準を満たすことです。1981年(昭和56年)以前に建築された家屋の場合、耐震診断や耐震リフォームが必要になることがあります。または、建物を取り壊して更地にして売却することでも特例は適用できます。
また、以下の記事では相続した土地を3年以内に売ることについて詳しく書いているので参考にしてください。
居住用財産を売却した場合の軽減税率の活用法
相続した家に相続人自身が実際に住んでいた場合、「居住用財産を売却した場合の特例」が適用できる可能性があります。主な特例は以下の通りです。
- 3,000万円特別控除
- 軽減税率の特例
- 特定の居住用財産の買換え特例
これらの特例は、相続した家に実際に住んでいた場合にのみ適用されるため、空き家のままで売却する場合は適用できません。また、居住期間や所有期間にも条件があるため、適用を検討する場合は専門家に相談することをおすすめします。
相続時と売却時の間に発生する固定資産税の取扱い
相続した家を所有している間は、固定資産税が発生します。固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対して課税され、その年の4月から翌年3月までの分をまとめて納付します。
相続が発生した場合、翌年から相続人に固定資産税が課税されるため、名義変更(相続登記)がまだ完了していなくても、相続人に納税義務があります。複数の相続人がいる場合は、法定相続分に応じて納税義務が発生します。
複数の不動産会社に査定依頼する
相続した家を適正価格で売却するためには、複数の不動産会社に査定を依頼することが重要です。一社だけに依頼すると、その会社の査定額が適正かどうか判断できず、損をしてしまう可能性があります。
不動産会社によって査定価格が大きく異なることは珍しくありません。同じ物件でも、各社の査定基準や販売戦略によって数百万円の差が出ることもあります。少なくとも3社以上の不動産会社に査定を依頼し、各社の査定額を比較することで、より客観的な相場観を把握できます。
山陰エリア(松江市・出雲市・米子市)で不動産売却する際のおすすめの会社
山陰エリアには多くの不動産会社がありますが、ここでは特に評判の良い会社を紹介します。それぞれの特徴を理解し、ご自身のニーズに合った会社を選びましょう。
ハウスドゥ松江・出雲・米子(西日本ホーム株式会社)

松江市、出雲市、米子市の3都市に営業拠点を持つハウスドゥ松江・出雲・米子は、山陰エリア全体をカバーする広範なネットワークが特徴です。物件情報の共有システムにより、広いエリアからの購入希望者に物件をアピールできる点が強みとなっています。
項目 | 詳細 |
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屋号 | ハウスドゥ 松江・出雲・米子 |
会社名 | 西日本ホーム株式会社 |
本社 | 〒690-0049 島根県松江市袖師町2-32 TEL:0852-24-7703 URL:https://www.nn-h.com/ |
ハウスドゥ 松江 | 〒690-0017 島根県松江市西津田5-1-1 TEL:0852-33-7778 URL:https://www.housedo-matsue.jp/sell |
ハウスドゥ 出雲 | 〒693-0004 島根県出雲市渡橋町3-2 TEL:0853-31-4010 URL:https://www.housedo-izumo.jp/sell |
ハウスドゥ 米子 | 〒683-0804 鳥取県米子市米原7-15-27 TEL:0859-30-3100 URL:https://www.housedo-yonago.jp/sell |
独自の査定メソッドにより、物件ごとの特性や立地条件を詳細に分析し、市場価値を適切に評価します。また、物件調査の段階から売却完了まで一貫した担当者が対応するため、細やかなフォローが期待できます。特に複数エリアでの住み替えを検討されている方には、広域連携によるワンストップサービスが好評です。
また、以下の記事ではハウスドゥ 松江・出雲・米子について口コミや特徴について書いているので参考にしてみてください。
カチタス出雲店・米子店

戸建住宅の買取に特化したカチタスは、出雲店と米子店を拠点に山陰エリアで活動しています。中古住宅の再生・流通に力を入れており、従来の不動産仲介とは異なるアプローチで住宅の売却をサポートします。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社カチタス |
出雲店 | 〒693-0012 島根県出雲市大津新崎町1-24-1 有藤テナント1FA TEL:0120-945-772 URL:https://home.katitas.jp/shop_info/82 |
米子店 | 〒683-0845 鳥取県米子市旗ヶ崎7-14-12 1F1号室 TEL:0120-870-521 URL:https://home.katitas.jp/shop_info/78 |
買取専門会社ならではの特徴として、買い手を探す必要がなく、内覧対応や価格交渉などの煩わしさから解放されるメリットがあります。特に築年数が経過した住宅や、相続物件、リフォームが必要な物件など、通常の販売ルートでは難しいケースでも対応可能です。状況に応じて複数の選択肢から最適な売却方法を提案する柔軟性も評価されています。
また、以下の記事では株式会社カチタス 出雲店・米子店について口コミや特徴について書いているので参考にしてみてください。
まとめ
相続した家を売却することは、通常の不動産売却とは異なる手続きや税制が関わる複雑なプロセスです。本記事でご紹介した内容を参考に、以下のポイントを押さえて円滑な売却を目指しましょう。
まず、相続手続きを適切に行うことが重要です。相続登記は相続を知った日から3年以内に行うことが法律で義務付けられています。
次に、税金対策を検討しましょう。相続した家の売却には、一般的な不動産売却とは異なる特例や控除が適用できる可能性があります。
また、複数の不動産会社に査定を依頼し、比較検討することも大切です。相続した家は状態や立地によって売却価格や売却期間に大きな差が出ることがあります。
相続した家の売却は、様々な決断や手続きが必要な大きなライフイベントです。本記事の情報を参考に、慎重かつ計画的に進めることで、スムーズな売却と満足のいく結果につなげていただければ幸いです。